
来歴
- 元は全十二図の肉筆画帖として伝わった一開。画帖の題簽には「天保七丙申年日本諸國大飢饉ニして路上ニ倒るゝ者多し 此時北齋翁高齢七十七歳ニして此肉筆畫帖を考案し 僅ニ糊口を凌けりと云ふ」と由来が記されています。
この作品について
飢饉の年の、祝儀の意匠
天保七年(一八三六)頃、天保の大飢饉の時期に、生活の糧を得るために制作されたと考えられる肉筆画帖十二図のうちの一図です。鰹節に水引を掛けることは祝い事や贈答の際に行われる習慣であり、吉祥性を帯びためでたい意匠です。社会全体が飢饉に苦しんでいた時代に、あえてこのような祝儀の図柄を描いたことには、北斎自身の祈りや願い、あるいは人々の暮らしへの思いが込められているのかもしれません。
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